子どもの頃から本だけは身近にたくさんありました。
7つ上の兄がいたお陰で、対象年齢より少し上の本もたくさん。
伝記や、「こどものなぜなぜ」みたいな本から、百科事典や動物百科事典などの大人が読んでもおかしくないような本もあれば、少年ジャンプや少年チャンピオンのような週刊漫画や単行本漫画までも。
友達が遊びに来た時に、「伊東くんの家は図書館みたいやな」と言ったこともありました。
そんな環境で育ちましたし、内容を問わず、本だけは欲しいだけ買ってもらった記憶があります。
今でも就寝前には本を1時間か2時間は読まなければ寝られない習慣になっています。
今までの私にとっては、単行本の漫画も、学術的な参考書も「手に入れた本=宝物」でしたので、折り目もつけず、大切に大切に取り扱
ってきました。
漫画のカバーが少々破れただけでも、修繕し大切に保管です。
そのような読書スタイルだったのですが、この本を読んでからそのスタイルが変わりました。
漫画の単行本ならいざ知らず、自己成長するための本は「本自体が宝物」ではなく、「本の内容こそ宝物」という意識で読むようになりました。
樺沢紫苑先生の最新作
『読んだら忘れない読書術』(サンマーク出版)
読書家とまでは自称しなくても、本を読むのが当たり前の生活をしていながら、読書を「愉悦に浸る」時間としてだけに使っていました。
もちろん、私にとっての読書は、寝る前にリラックスできるお手軽ツールですし、何度も読んで知識を蓄えるものですが、さらに読書量を増やすことができ、自己成長につなげることができる『読書術』を手に入れました。
多くの本を読んでいながら、「読んだつもり」になっていた読書が多かったと気付きました。
つまり、本に書かれてある著者の「言いたい事」が全部身についていなかったと言うことです。
せっかく読んだ本です。
内容を忘れてはもったいないです。
著者の長年の経験や蓄積された知識を、ほんの数時間で身に付けることで、人類最先端の知識を蓄えることができます。
この本を読んだ機に、今まで絶対にやらなかった「ダーティー読書術」(98ページ~)に挑戦中です。
「本自体が宝物」の私にとっては、宝物にマーカーを引いたり、メモを書いたりすることは、「やってはいけない禁断の行為」でした。
赤と黄色の蛍光ペンを買ってきて、大切なところや気づいたところ、覚えたい単語にマーカーで線を引きます。
やってはいけないと思い込んでいた行為をやってみると、これは面白い。
みるみる本の内容が脳にインプットされていきます。
今までうろ覚えだった脳内物質のアドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン、エンドルフィン、そしてオキシトシンのそれぞれの特徴が頭にスッと入ってきました。
読書が習慣づいている人も、読書習慣がない人も、勉強中の中高生も、ちょっと今読んでいる本を置いといて、本書を読んでみると良いでしょう。
あっという間に重版が決まり、売れに売れている理由がお分かりになるかと思います。
「(読んだ)満足感に浸る」読み方から、「記憶に残る」読み方に変わることでしょう。
「記憶に残る」読書術こそ、「情報」ではなく「知識を得る」賢い大人の読書術だと言えます。