「have」という英単語を知らない人はいないと思います。
「持つ」と暗記していますよね。
I have a pen.
「私はペンを持っています。」
簡単すぎて、もはや芸人さんの軽いギャグにすらなっています。
ところが、haveを含むイディオム(成句/英熟語)になると
とんでもなく数が多くなります。
大学入試の時には、難しい英単語とともに、
英熟語も相当の数を暗記しました。
簡単な英単語の組み合わせなのに、
とんでもなく数が多いです。
have at「…を攻撃する, …に取りかかる」
have back「返してもらう, 取り戻す,再び迎え入れる,お返しの招待をする」
have down「迎える,招く」
have got「持っている,しなければならない,(否定文で)する必要がない,ちがいない,きっと〜のはず」
have had it「あきあきした,うんざりした,だめだ,殺された,負けた」
have in「(人を)入れる,呼ぶ,招き入れる,買い込む,蓄える,仕入れる」
have it「勝つ,有利である,聞き知る,表現する,言う,確信する,主張する,ことをする,受け入れる,認める,支配する」
ここまで書いていて嫌になりました(笑)
「『英語は簡単な言語』どころか、ややこしくてかなわん!」
受験生時代にはそう思いました。
それでも中学、高校と英語の成績だけは上位をキープしていたので
大学入試の時には英語の配点が高い同志社大学を第一希望に勉強してました。
一生使うことのないであろう難解な英単語や、英語で書かれてある論文を読むほどのレベルにまでなっていた18歳、19歳の伊東少年です(笑)
自分で言うのもナンですが、文学部に合格していたら迷わず英語教諭の資格を取っていたと思います。
(残念ながら第一希望の法学部しか受かりませんでした(笑))
大学時代のアルバイトは、英語がいっぱい使える京都のシティーホテルでベルボーイをしていました。
ホテルでの接客英語は、決まり切ったフレーズで何とか対応できたので、受験勉強に比べたらどうということもありません。
怖いもの知らずの若さとパワーで何とかなったものです。
道を聞かれても、「タクシーで10分〜20分ですよ」で済みました。
京都ならではの観光の仕方ですね(笑)
それから10年、20年、いや30年弱経ちました。
海外旅行にも何度か行きました。
そこで思いました。
「あれ?入国カード・出国カードと税関申告書の書き方が分からないぞ??」
「あれ?入国審査で何を言っているのか理解できないことだらけ!!」
「あれ?隣の人(外国人)に話しかけられても、ロクなお返事ができないぞ??」
「あれ?あれ?あれれ?」
そうなんです。
関西屈指の英語教育に力を入れている同志社大学を出た英語力を持ちながら、実際に英語を使う場面になると何もできない「(文部科学省的な)英語の勉強が好きなだけ」の人に育っていたのです。
思い起こせば、英語を日本語に変換するために英単語と英熟語、若干の文法、長文読解に力を入れていた学生時代だったのです。
海外旅行など、いざ使う場面になってアタフタしてしまうのは、中学で学ぶ英単語を、「一語一義」的に「覚えて」いたからなのです。
例えば
「go」は「行く」
「run」は「走る」
「live」は「生きる」
このような覚え方をしている人が大半ではないでしょうか。
英単語ひとつに日本語ひとつの意味に訳すことに注力しがちです。
英熟語になると
「go on」は「進む、続ける」
「run away」は「逃げる」
「live on」は「生き続ける」
英単語と同じように、単語カードに書いてめくって覚えたものでした。
「『続ける』だったら『continue』と同じだよね。」と軽い気持ちで覚えていました。
まさに一語一義。
覚える努力とテストの成績、それと実際に英語を使う場面での能力にはものすごい差があります。
英語圏の小学生が話すようなことすらも、話せないのです。
これはヒアリング力でも何でもなく、簡単な英単語の本質的な意味を感覚として理解していないことに起因しています。
これからは「使える英語力」を向上させようと思っていた矢先、素晴らしい本に出会いました。
頑張らない英会話フレーズ
イングリッシュ・ドクター西澤ロイ著/あさ出版
本書には難しいことは全然書かれていません。
むしろ、「え?そんな簡単な単語だけ???」と不安になる程のボキャブラリーの数です。
have
keep
run
come
get
give
go
make
turn
などの簡単な動詞
in
into
off
on
out(of)
などの簡単な前置詞
これらの、誰もが知っている英単語の「本質」を「感覚」として理解できれば
「生きた英語表現」がマスターできるのです。
日本語の単語と英語の単語
違う言語ですから、一語一義で捉えられるものでは無いのです。
中学を卒業したレベルで、新しい英単語を覚える必要は一切ありません。
むしろ、知っている簡単な英単語を「深く」理解する、「感覚的に」理解するだけで圧倒的に表現力が向上することを教えてくれます。
「have」という動詞は「持つ」と覚えても、
それは「have」の意味のひとつでしかありません。
つまり「枝」ということ。
幹となる(本書では「コア」と表現しています)のは「なわばり」という「感覚」だと、図やイラストで理解しやすく書かれてあります。
幹に当たるコアをしっかりと理解して、
枝までしっかりと感じて理解することができれば、
覚えることが減る上に、
応用が利く形で英語を理解できる
ということなのです。
せっかく知っている「中学生レベルの英単語」を、
世界の多くの人と楽しくコミュニケーションを取れるツールに発展させてくれるようにしてくれる本書は、日本人としての教養としても特におすすめです。
西澤ロイさんのもうひとつのおすすめ本はこちら
英語は「カタカナ」から学びなさい
https://minoruito.wp-x.jp/?p=1141