「疲労感」の原因は脳だ


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「疲労感」の原因は脳だ

疲労感の原因は脳だ

「疲労」と「疲労感」

「疲労」と「疲労感」
似たような言葉ですが、ここでは2つを分けて考えてみます。
 
 
「疲労」は体が疲れている状態とします。
肉体労働やスポーツなどでクタクタになったもの。
睡眠など、休めば回復します。
 
 
一方「疲労感」は脳が疲れている状態とします。
体はそれほど酷使していないのにヘロヘロになったもの。
「ストレス疲れ」と言い換えてもいいでしょう。
 
 
ここでは「疲労感(ストレス疲れ)」について、その原因と対策をお伝えします。

疲労感の原因

疲労感は、情報過多・ストレス過多により発生します。
「◯時までにあれとこれをやらなきゃ!」
「あれもこれも大変!どこから手をつけたらいいの?」
と、思わず「忙しい」と口に出してしまうような生活をしていると出てきます。

2つの脳のパーツ

脳にはいろんなパーツがあり、それぞれに役割があります。
「大脳新皮質」は、言葉や大人としてのふるまいなどを理解する「知性を司る脳」です。
「大脳旧皮質」は、喜怒哀楽や食欲、睡眠欲などの生理的欲求の中枢で「本能を司る脳」です。
 
 
外部からの情報が入ってくると、大脳新皮質で情報処理をします。
その情報量が多くなると、大脳旧皮質の働きが制限されます。
 
 
情報の処理には、作業場が必要だと思ってください。
大脳新皮質が働いている間は、広い作業場が必要ですので、大脳旧皮質が働くスペースを制限するとイメージするといいでしょう。
 
 
大脳新皮質:
「うわぁ、めちゃくちゃたくさんの仕事がきたキタ━━━d(゚∀゚)b━━━!!働くぞ〜!ちょ!大脳旧皮質!お前ジャマ!そこから動くなよ。なんてったって、俺が働かなくっちゃ人間らしい判断ができねーっての!」
 
 
大脳旧皮質
「う、うん。分かった。じっとしてるよ(クソ!人類特有の進化した部分だからってエラそうにしやがって…どうせ俺なんて本能だけだから、小動物と変わらんもんな…ちぇ…)。」
 
 
脳の作業場はスペースが限られているので、ふたつの脳のパーツは一緒にフル稼働できないのです。
そして、大脳新皮質が優先されているようです。
 
 
ですから、大脳新皮質が優位に働いているとき、例えば面白い本に夢中になっているときには、大脳旧皮質の仕事でもある「空腹感」などを感じられず、何時間も食べなくて集中してしまうケースなども生まれます。
本能の欲求を無視しないと、外からやってくる過大な情報量を処理できないのです。
 
 
いわゆる「寝食を忘れて…」の状態ですね。
ときには集中や熱中して何かをするのもいいですが、動物としてのヒトは、食べたり寝たりしなければなりません。
 
 
集中していたことが終了したときに、空腹も感じますし、眠くもなります。

原始時代から続くヒトの脳

進化の過程で、大脳新皮質が発達してきたお陰で私たちは野生の動物に食べられることなく今日までやってこれました。
 
 
原始時代であれば、獣に襲われる危険を回避しなければなりません。
 
 
もし大脳旧皮質が優位に働いていたら、
「今飯食ってるしぃ。サーベルタイガーから逃げるのダルいわ」
なんてことになって、身を守れませんでした。
 
 
「あ、ヤベー獣がやってきた!逃げろー!」と
五感をフルに働かせて逃げることが大切な時代が何万年も続いてきたので、たかだか文明が発達した人類の歴史の数千年ではさらなる進化はなさそうです。
 
 
今の脳の状態は、原始時代から受け継がれてきたままだと思っていいでしょう。

情報過多になると

話を元に戻しましょう。
 
 
情報過多になると、それぞれの脳のパーツはこうなります。
大脳旧皮質(本能)は、五感異常、食行動異常、肥満や生活習慣病などの身体異常を起こします。
大脳新皮質(知性)は、認知異常、精神的行動異常、うつ病、神経症などの精神異常を起こします。
 
 
風邪などを引いているわけでもないのに、「疲れが抜けない」「頭がぼーっとする」「ご飯がおいしくない」など、精神的なストレスが原因と思いがちな症状は、「疲労感」に似ていますが、脳の疲労が原因のことが多いです。
 
 
「疲れてるんだよ。リフレッシュしてきたら?」とアドバイスをもらうようなときは、休む暇もなく次から次へとやることが消えないような状態です。
 
 
「忙しい!忙しい!」が口癖のようになっているとき、例えば24時間ずっと赤ちゃんと過ごしているようなときだったり、一人ではこなしきれないほどの仕事量のときに相当します。
 
 
「子どもを産んだら太った」と思い込んでいる人も、この例が当てはまるでしょう。
 
 
太るのは「食べ過ぎ」と「運動不足」が大きな要因だと誰もが知っています。
命を削ってでも子孫を育む行為である妊娠や出産が、直接的に太る要因ではないと言えます。
 
 
授乳、オムツ交換、抱っこにおんぶ、あやしたり話しかけたり、体調をチェックしたりと、赤ちゃんのお世話は「終わりのない仕事」のように次から次へと「やらなければならない」ことが発生します。
 
 
もちろん、「愛情」があるのでなんとか乗り越えられるのですが、完璧な育児を求めたり、「いいママにならなきゃ」と思っていると、ストレスがどんどんと増えてきて、脳が疲れてしまいます。
 
 
この「脳が疲れている」状態が、「疲労感」だと理解しましょう。
疲労感いっぱいで長時間頑張ってしまうと、食欲異常や体調不良が発生し、メンタル疾患にも発展します。

脳疲労の回復方法

(1)運動による脳疲労の回復
脳がフリーズしているとき(働かないとき)には、脳の血流が悪くなっています。
運動をして血流を良くすることで脳疲労を解消できます。
ウォーキングや筋トレなど、基礎的な運動が特におすすめです。
 
 
「運動は体を疲れさせるためのもの」と考えているとやり始めはおっくうになるものですが、適度なスポーツのあとの「スッキリ感」はまさに運動によって血流がよくなり、頭(脳)がスッキリする典型的な例です。
 
 
特別なスポーツをがむしゃらにやるわけではないので、「散歩」でも「ウインドウショッピング」でもいいのです。
日常生活で欠かせない「お買い物」に出かけるのも有効です。
 
 
(2)思考の変換
「ストレス過多」が脳疲労を発生させます。
「考えすぎだよ」と言われる人の思考は、「考えても仕方がないこと」まで考える癖がついています。
 
 
「考えることが多い」のが原因なので、「考えることを減らす」のが有効です。
「じゃあどうすればいいの?心配して考えちゃダメなの?」と思われるかもしれませんね。
 
 
少し落ち着いて思い出してください。
過去に心配したことが、「ああ、心配して良かった」と思えることがいくつありましたか?
 
 
「台風が直撃したらどうしよう」
「隕石が落ちてきたらどうしよう」
「お化けが出てきて金縛りにあったらどうしよう」
「子どもを外で遊ばせてるけど、誘拐されたらどうしよう」
「鍵をかけたかどうか確認しなかったけどどうしよう」
「この子が大きくなって犯罪者になったらどうしよう」
「明日会社からクビを宣告されたらどうしよう」
 
 
無くは無いのですが、極めて現実に起こりうる可能性が低いことを心配しても仕方がありません。
 
 
もし万が一、そうなったとしたら、「その時に考える」ようにすればいいのです。

大切なことなので繰り返します。
「未来を心配して、良かったことがありましたか?」

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